俳優横浜流星(25)が23年公開予定の映画「ヴィレッジ」(藤井道人監督・脚本)で主演を務めることが18日、分かった。藤井監督と5度目のタッグで、村のゴミ処理施設で働いている“ダークサイドに落ちた青年”、片山優役を演じる。

日本人の原風景とも言える「村」を舞台に、現代社会の闇を投影した藤井監督オリジナル脚本によるサスペンス・エンターテインメント。母親の借金に追われて、ごみ処理施設で働く主人公の片山が、東京から帰郷した幼なじみの存在などをきっかけに覚醒し、同調圧力や格差社会などと向き合っていく姿を描く。役柄に合わせてひげを生やし、鋭い目つきで前を見据える横浜の姿も公開された。

横浜にとって、藤井作品では今回が初の主演作。「とても感慨深いです」と語り、作品については「藤井監督が何度も何度も書き直しされていた、愛のある最高な脚本です。日々のつらい状況から逃げたくても逃げられない。我慢しか出来ない青年を生き、身も心も削られましたが、彼の変化を楽しみにしていただきたいです。とても考えさせられる内容になっています」とつづった。

上映中の映画「余命10年」が累計動員数225万人を突破する大ヒットとなるなど活躍を続ける藤井監督もコメントを発表。横浜については「出会ってもう7年になります。お互い、全く売れていない頃から鼓舞し合って、切磋琢磨(せっさたくま)してきた同志です」と強い信頼を寄せる。19年の監督映画「新聞記者」が日本アカデミー賞3部門で最優秀賞を獲得するなど社会問題を描く手腕への評価も高く「とても難しい題材でしたが、今、僕らの周りに起きていること、感じたことを気負わずに書きました。横浜流星という俳優の進化と、素晴らしいキャスト、スタッフの技が詰まった見たことのない映画になっていると思います」と自信をみせた。

○…「ヴィレッジ」は、「新聞記者」(19年)や「ヤクザと家族 The Famlily」(21年)などの話題作を制作してきたスターサンズ河村光庸エグゼクティブプロデューサーの企画で、その2作品を手がけた藤井監督、そして勢いに乗る横浜を主演に据えて、今回もメッセージ性の強い作品作りに取り組む。河村氏は「藤井監督と制作したかつての2作品とはまた違う人間集団のディープな物語になったと思います。皆さんは恐らくこの映画が完成した時に驚愕(きょうがく)することでしょう」とコメントした。