NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(日曜午後8時)に静御前役で出演する女優石橋静河(27)が、このほど、“義経伝説”の残る青森県・青森市内でトークライブを行った。役柄や三谷幸喜氏の脚本の魅力、踊りの苦労などをたっぷり語った。

菅田将暉(29)演じる源義経をとりこにする、白拍子の静御前を演じる。大河ドラマ初出演の石橋は「静御前役と言われて『何の冗談だろう?』と。名前も同じだし、どういうことかなとすごくびっくりしました」とオファーを回想。「実感が湧くまで時間がかかって、その後に『伝説の人をやるのか』ということですごいプレッシャーが襲ってきました」と苦笑する。

三谷氏が描く静御前については「川釣りをしながら『御曹司さん、全然釣れへーん!』なんてセリフもあって、本当に台本にそう書いてあるし(笑い)」と新鮮に感じている様子。義経の傍らで男たちだけの宴席に参加する姿も描かれており「もっと一歩引いて、本当に“義経一筋”っていう人なのかなと思ったら、それはそうなんだけど、もっと一人の人としてそこにいる場所があるというか。そこにいる存在感のある人なんだなっていうのが今回の脚本を読んで意外だった」と話す。

歌や踊りについての記録が残されていない白拍子を演じる苦労も語り「即興で歌いながら、即興で舞いながら、っていうことをする人なんですよ。フリースタイルというか。その場の空気とか、そこにいる人とかから、瞬時にどんなことを歌おうか、というのを考えてやらなきゃいけない。すごいハイレベルなこと」。アドリブをこなす静御前の頭の良さを感じる一方、義経との共通点については「かたや義経は戦の神のような人で、かたや静は踊りということで、全然違うけど、同じぐらいのエネルギーというか。すごく感覚的じゃないですか、義経も。そういう大胆な部分とかが似ていたんじゃないかと私は思います」と語った。

第17話の初登場シーンでは舞を披露した。自身も幼少期にクラシックバレエを始め、10代でダンス留学を経験したダンサーだが、長はかまでの踊りは「慣れないと本当に難しくて」。所作指導の先生からは「ただの布じゃなくて自分の足だと思いなさい」とアドバイスを受け、「ちょっとずつそれに慣れていきました。ただ自分が、石橋静河として踊るのと、静御前っていう役を通して踊るのは全然感覚が違うので、すごく幸せな時間でしたね」と振り返った。

三浦透子(25)演じる義経の正妻・里との関係も見どころとなる。石橋は「本当に三谷さんの脚本だなっていう感じで。普通はもっとドロドロ、しれつな争いになるけど、これがどこかユーモアがあって、『この人たちこのケンカ終わったら仲よくなっちゃうんじゃないか』って思うくらい(笑い)。すごく面白いシーンでした」。個性的な静御前を楽しんでいる様子で「皆さんが想像される静御前とは違うかもしれないけれども、歴史を想像できるのが面白いところだと思うので、今回は『こんな静御前も面白いな』というふうに見てもらえたらうれしいです」と話している。