東京宝塚劇場月組公演「グレート・ギャツビー」(10日から)の通し稽古が9日、同所で行われ、月城かなと、海乃美月のトップコンビが華麗なステージを披露した。

この日は、91年の初演で主人公、ジェイ・ギャツビーを演じた女優杜けあき、永遠の恋人デイジーを演じた鮎ゆうきの初演コンビも客席で観賞。取材会にも登壇し、新旧トップスターが豪華に集結した。

22年版のギャツビーを堪能した杜は「幕が下りてしみじみと実感したのは、宝塚っていいなということでした。いろいろなことが起こるこの時代に、この世界は絶対に必要不可欠」と力を込めた。作品について「私の想像をはるかに超えていました。素晴らしかったです。1人でも多くの人にこの素晴らしい作品を見てほしい」。鮎も「この作品に流れている格は変わらない」と話した。

月城は「杜さん、鮎さんに見ていただけたことを本当にうれしく思っています。この時代に宝塚は必要不可欠だという言葉に背中を押していただいた。振り返った時に、海乃とともに、私たちにとっても宝物の作品だと言えるように、そして次の世代につないでいけるように大切に演じたい」と語った。

22年版は、ラストに華やかなフィナーレつき。杜は「『グレート・ギャツビー』で羽根を背負って大階段を下りてくるというのは新鮮な感動」と笑顔で話し、「OGとしてではなく、一観客として、本当に巡り会えてよかったと思える作品」と絶賛した。

初演から同作の演出を手掛ける小池修一郎氏は「新旧のギャツビー、デイジーが集まって、何を言っていいのか分かりません」と大感激。「宝塚の素晴らしさをあらためて感じる。生きててよかったという31年でございます」と語っていた。