吉岡秀隆(52)が17日、東京・新宿ピカデリーで行われた映画「川っぺりムコリッタ」(荻上直子監督)公開記念舞台あいさつに登壇した。劇中の、すきやきを食べるシーンで、主演の松山ケンイチ(37)共演のムロツヨシ(46)満島ひかり(36)らが肉を食べているのに、自分は食べられなかったことを残念がった。

吉岡は劇中で、墓石売りの溝口健一を演じた。「ひっそりと暮らしたい」と無一文のような状態で北陸の町の「イカの塩辛」工場で働き始めた、松山演じる山田たけしが住んだ安アパート「ハイツムコリッタ」にいる、社会からは少しはみ出した感じで貧乏な住人たちの1人だ。

溝口は、大家の南詩織(満島)に家賃を滞納しながら、墓石が売れたため高級肉を買い、墓石を一緒に売る息子と父子ですきやきを食べようとしたところ、詩織や山田、島田幸三(ムロ)が押しかけ、肉を食べられてしまうシーンがある。吉岡は「僕、食べてないです…お肉食べられなくて。本当に僕、食べようとしたら満島さんが、おわんを出すので、家賃を滞納しているので…。松山さんが食べて白目をむくのが、うらやましかった。満島さんが僕が反応すると器を出すので(肉を)注ぐしかない」と、惜しみ続けた。

さらに「みんな、カットかかるたびに、おいしい、おいしいと言いましたけど、あのおいしそうな、お肉は1枚も食べてない。僕のなんですけど。味がしみこんだ、おいしいしらたき…ネギでしたよ」と、しらたきとネギしか食べられなかったとボヤいた。

荻上直子監督(50)が「私も1枚、お肉を食べましたよ」と笑うと、ムロも「お肉も野菜も生卵も僕が一番食べた。おいしかった。(共演の)子どもがお芝居するより、ただ、その場にいるのがすごかった。とても面白い雰囲気だった」と笑った。

司会から「ささやかな幸せは?」と質問が出た。そこでも吉岡は食にこだわった。「コロナ禍になり(撮影中)外に食べに行くことも出来ない。ビジネスホテルで、お弁当を1人で食べるんですけど、甘いお豆じゃなく、濃いナポリタンの時は幸せだな」と、ロケ弁の副菜の豆が、違うおかずだった時に幸せを感じると語った。

その上で「ハム、春雨、キュウリのサラダ…やった。そんなことじゃないですか? 豆ならナポリタンとか、ないかなと。食べますよ。でもご飯の時、いつ食べたらいいか考えますよ、3つのお豆」と語った。