女優長澤まさみ(35)主演のフジテレビ系連続ドラマ「エルピス-希望、あるいは災い-」(月曜午後10時)の最終回となる第10話が26日に放送され、平均世帯視聴率が5・5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)だったことが27日、分かった。初回から8・0%、7・3%、6・3%、6・9%、5・8%、5・5%、6・6%、5・7%、5・5%。

平均個人視聴率は3・2%だった。初回から4・4%、3・8%、3・4%、3・9%、3・2%、3・2%、3・6%、3・1%、3・0%。

長澤にとって18年4月期のフジテレビ系「コンフィデンスマンJP」以来、4年半ぶりの連続ドラマ出演。

長澤演じる大洋テレビのアナウンサー浅川恵那(えな)は、入社当初は抜群の容姿と好感度の高さから「10年に1人の逸材」ともてはやされ、ゴールデンタイムのニュース番組のサブキャスターを務めていた。しかし、複数番組を担当する激務のなかで徐々に人気に陰りが見え始めたところで、週刊誌に路上キス写真を撮影され、ニュース番組を降板。現在は、社内や視聴者から「落ちぶれた」と後ろ指をさされながら“制作者の墓場”とやゆされる深夜の情報番組「フライデーボンボン」のコーナーMCを担当している。

そこへ若手ディレクター岸本拓朗(眞栄田郷敦=22)が、犯人とされた男の死刑が確定した10代女性連続殺人事件の真相追及を持ちかける。冤罪(えんざい)疑惑を追うなかで、恵那が失った“自分の価値”を再び見いだしていく社会派エンターテインメント。2人の先輩で報道局のエース記者・斎藤正一役として鈴木亮平(39)が出演する。

題名の「エルピス(Elpis)」とは、古代ギリシャ神話で中からさまざまな災厄が飛び出したと伝えられる「パンドラの箱」に唯一残されていたものとされる。良きことの予測として「希望」、あしきことや災いの予測として「予兆・予見」とも訳される言葉。

第10話で拓朗は、大門副総理(山路和弘)の娘である妻と離婚し、事務所も退職し身ひとつになった大門亨(迫田孝也)が、命を懸けて大門に対するレイプ事件“もみ消し”疑惑を告発しようとしていたことを知った。亨の死の意味を理解し、言葉を失う。一方の村井(岡部たかし)は、亨の正義を踏みにじり、自らの保身のため、身内の死をもってすべてに終止符を打とうとする大門のやり方、さらに、権力という名の悪から目をそらし、平然と報道を続けるマスコミのあり方に怒りを爆発させる。

「ニュース8」のスタジオに殴り込んできた村井のただならぬ様子を見た恵那は、その真意を知りたいと、拓朗のもとを訪ねる。しかし、亨を死に追いやったことに責任を感じ、かつての村井の忠告の意味を嫌というほど思い知らされた拓朗は、恵那の言葉に虚無感といら立ちを覚え、今度こそ、この一件から手を引くと宣言する。深い失意と恐怖に襲われる拓朗の言葉に、恵那が出した答えとは。