吉本興業所属の日本唯一のハルダンゲルバイオリニスト、山瀬理桜氏が31日、都内のノルウェー大使館で、同国の音楽や文化を伝え、関係発展に尽力したとして功労勲章を叙勲された。

ニーハマル駐日大使から賞状などを授与され「こういう形で活動を評価していただいたことはとてもうれしく思います。ノルウェーには日本にも通じる素晴らしい文化があります。連絡を受けた時は(同国の画家)ムンクではないですが、本当に叫んでしまいました」と喜んだ。

ノルウェー王国功労勲章は1985年にオラフ5世前国王により創設。ノルウェーの利益のために目覚ましい貢献が認められる外国人または海外在住のノルウェー人に授与される。山瀬にはノルウェー人と結婚したピアニストの姉もおり、音大卒業後にハルダンゲルバイオリンと出会った。姉と共にオスロのムンク美術館で日本人初のコンサートを開催したほか、北欧でのツアーも経験。その活動はノルウェー国営放送や新聞など現地メディアにも取り上げられていた。

スタジオジブリの宮崎駿監督もその腕前を高く評価しており、06年には同監督の短編アニメ「水グモもんもん」の音楽監督(作曲&演奏)を担当。同年公開の映画「ゲド戦記」にも同バイオリンの演奏で参加した。

山瀬は宮崎監督について「怖いイメージがありましたが、ずっとほめられていました」と振り返り「リラックスした気持ちで自分らしく曲を任せていただきました。監督の笑った顔がトトロそっくりなんです。すてきな笑顔と良い環境で音楽作りをさせていただいて、とてもいい思い出のひとつです」と語っていた。【松尾幸之介】