セーラー服で歌い踊る4人組ダンスボーカルユニット「新しい学校のリーダーズ」。個性的な衣装に目を奪われるが、そのダンスパフォーマンスに中毒性を感じる人も多い。SNSをあさればすぐに出てくる、消費カロリーの高そうなダンスの数々は全て彼女たちによって振り付けが考えられている。

メンバー全員が幼少期からのダンス経験者。インタビューで踊りについて聞くと、KANON(21)は「演奏を体で奏でる感じ」と、バンドマンのように楽器を持たない自分たちを表現する。ライブではシンプルなステージを広々と使い、RIN(21)も「ドラムだったらセットが置いてある中でのアレンジだけど、私たちは足をどこに置くかも決まってないし、飛ぶかもしれないし、立ち位置も変わる。無限大で面白い」と自由度の高さを楽しんでいる。

楽曲を聞いた印象やキーワードを4人それぞれが持ち寄り、イメージを共有しながら振り付けを考えるという。整ったフォーメーションやクールな決めポーズ、体操風やシンクロダンスなど展開は曲によりさまざまで、見ていて飽きない。振付師として自分たちの踊りを俯瞰(ふかん)しており、MIZYU(24)は「いっぱい曲があるからこそ、ワンマンライブでは踊っていればいいわけじゃなくなってくる。4人がずっと動いてるなっていう印象が変わらないだけで終わるのは嫌で」とこだわりを語る。SUZUKA(21)も「私服でやっているわけじゃなくて、セーラー服の4人がやってるからこそ『こうやったらおもろいな』みたいな。そこは切り離してセルフプロデュースしてる。私みたいに丸眼鏡かけてるこの子は、『こういう動きをしたら一番楽しいんやろな』とか」と話した。

配信シングル「オトナブルー」は20年のリリースながら、サビの「首振りダンス」がクセになると昨年からじわじわ人気を獲得。今月16日には新たなミュージックビデオも発表され、YouTubeでの公開から10日で330万回以上再生されている。SUZUKAは「3人の個性も知っているからこそ、もっと新しい部分を引き出せる。振り付けも表現も、どっちも自分でやるのがベスト」と現在のスタイルに自信を見せる。KANON(21)も「ステージでは本当に身1つで戦ってるけど、いろんな見せ方が今もできているし、もっとできるんじゃないかなと思います」。

4人には「ネタ切れ」の概念もなさそうだ。RINが「見せたい種類がいっぱいあるよね」と話せば、MIZYUは「私、何の曲でも化けようとするので、それが楽しいです」と笑顔。KANONも「楽しいよね」としみじみと語り、SUZUKAも「足りないよね、時間」と笑う。やりたいことがあふれて仕方がないといった話しぶりに、今後のパフォーマンスも期待してしまう。【遠藤尚子】