音楽家の坂本龍一(さかもと・りゅういち)さんが3月28日亡くなったことが2日、分かった。71歳だった。
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初めてインタビューしたのは音楽も担当した映画「ラスト・エンペラー」に出演した直後の87年だった。
YMOでの活躍に続き、映画音楽で世界的評価をすでに確立していたが、「スポーツ新聞ですか、何かすごく緊張するな」とハンカチを額に当てながら切り出したことを覚えている。
イタリアの巨匠ベルトリッチ監督の演出には「現場で3日間くらい待たされる。片腕の役だから、しびれて仕方が無かった」。共演のジョン・ローンについては「役作りはビョーキですよ。憎み合う設定だから口をきいてくれないし、撮影の合間もつらく当たる。ま、勉強にはなりましたけど」と明かした。「教授」と呼ばれた人の意外な愚痴に人間くささを感じた。
「戦場のメリークリスマス」、そしてこの作品と世界的な大作の音楽担当が続いたが、この直後に初めてのアニメ映画「オネアミスの翼」の音楽が決まっていた。「難しいと思うけど、想像の幅が広いアニメーションは前からやりたかった」とうれしそうだった。
作品の大小やジャンルにこだわらず、そして慢心することなく、常に新しい分野に挑戦していったところにこの人の真骨頂があったように思う。【相原斎】



