NHKは30日、23年度予算を巡り、同局のインターネット活用業務実施基準に定められていないBS番組の同時配信に関連した予算が盛り込まれていたと明らかにした。

昨年12月にインターネット活用業務に係る設備調達を稟議(りんぎ)で決定したが、その後の調査で、その中にBS同時配信に関する設備費用が含まれていたことが発覚。4月にはすでに一部の契約・開発が進められていたが、内部調査の結果、着手していたのは「地上放送の同時配信のバックアップ」や「4K放送の周知広報」に関するもので、BS同時配信のための開発については未契約だったと報告した。違法性が疑われる支出も否定した。

予算の名目を修正する是正措置をとり、29日の時点で総務省に報告したと説明。この日、東京・渋谷の同局で担当者が会見し「BSの配信をやるのであれば、経営方針を理事会等で固め、委員会にはかり、実施基準の変更をお願いし進めていくのが適切という認識。今回の行為はそこから外れているので是正した」と語った。

今後は稲葉延雄会長直下に検討会を設置するとし、同局は「こうしたことが二度と起きないよう再発防止を徹底します。意思決定のプロセスなどについて、ガバナンスのあり方を再認識し、改革を行ってまいります」とコメントした。