岡田将生(33)と清原果耶(21)がダブル主演し、21年に台湾アカデミー賞(金馬奨)最多5冠の映画「1秒先の彼女」(チェン・ユーシュン監督)をリメークした映画「1秒先の彼」(山下敦弘監督、7月7日公開)が、6月22日から台湾で開催される第25回台北映画祭ガラ・プレゼンテーション部門へ正式出品されることが決まった。31日の配給のビターズ・エンドが発表した。

台北映画祭には、岡田と山下敦弘監督(46)と脚本の宮藤官九郎が参加し、現地では記者会見やフォトコール、質疑応答も予定。また、原作の「1秒先の彼女」を手がけたチェン・ユーシュン監督、メインキャストのリー・ペイユー、リウ・グァンティンも特別参加し、日本版と台湾版のキャストとスタッフが初めて交流する。山下監督は「台北映画祭で『1秒先の彼』を上映していただけること、とても光栄です。台北映画祭には2019年に審査員として参加しました。その映画祭に今度は自分の映画で参加できることが、とてもうれしいです」とコメントした。

原作の「1秒先の彼女」は、人よりワンテンポ早い彼女と遅い彼の、消えた1日をめぐるラブストーリーだが、日本版の「1秒先の彼」は舞台を京都に移して男女のキャラクター設定を反転。岡田は何をするにもワンテンポ早くイケメンなのに残念な郵便局員ハジメを、清原はワンテンポ遅いながらハジメのことをひそかに思い、郵便局に繰り返し手紙を出しに行くレイカを演じる。

山下監督は「チェン・ユーシュン監督作品は面白くて完成された世界観を持っています。僕たちなりに日本でリメークすることの意味を考えながら、悩みに悩み、すてきなスタッフ・キャストとともに『1秒先の彼』という作品を完成させました。オリジナルとは設定を少し変更し、舞台を京都にしたことで、日本でのリメーク作品としての意義を持ち、物語やキャラクターが生き生きとしたものになったと思います。『1秒先の彼女』を見て、「台湾に行きたい!」と思いましたが、『1秒先の彼』を見て、台湾の方々にも「京都に行きたい!」と思ってもらえたらうれしいです」と続けた。

そして「台湾の皆さんがこの作品を見て、どう思うのかな……と緊張しながらも、チェン・ユーシュン監督はじめ、オリジナルのキャスト・スタッフの皆さんにも楽しんでいただける作品になっていたら本望です」と、台北映画祭参加に期待を寄せた。

「1秒先の彼」は、第25回上海国際映画祭(中国)GALA部門に出品され、6月10日でワールドプレミア上映されることも決定。「苦役列車」以来11年ぶりの参加となる、山下監督の舞台あいさつも予定している。同映画祭は、国際映画製作者連盟の公認を受ける中国で唯一の国際映画祭であり、世界12大映画祭の一つに数えられるアジア最大規模の映画祭。