歌手水森かおり(49)がこのほど、新曲「日向岬」の舞台、宮崎県日向市でキャンペーンイベントを行った。
今年でデビュー28年目を迎えた水森。ご当地ソングの女王として、その名は知られている。「日向岬」は通算33枚目の最新シングル。今年1月24日に発売され、ロングヒット中だ。オリコン・シングルランキングでは初登場で総合8位にランクインし、20年連続でトップ10入りを果たしている。紅白歌合戦に出場中の女性演歌歌手の中では、抜群のセールスを誇っている。 キャンペーンイベントは、日向市の中央公民館でミニステージを行った。抽選で選ばれた500人のファンが駆けつけ、市民の前で初めて同曲を生歌唱した。
水森は「日本で一番好きな宮崎にやってきました。何度もお邪魔している宮崎ですが、一番好きなのは日向市です。すてきで、温かくて優しい人ばかりです」。鹿児島が舞台の「ひとり薩摩路」や自身最初のご当地ソング「鳥取砂丘」も披露したが「いろんな舞台を歌いましたが、やはり日向市が一番いいですね」。
ステージには十屋幸平日向市長も駆けつけ「観光大使もお願いしたらすぐに引き受けていただけました。市役所でも毎日曲を流しています。ぜひ、紅白歌合戦で日向岬を歌っていただけるように応援したい」と話した。
昨年末に同曲が発表されるやいなや、同市から観光大使のオファーが来たという。「まだ、楽曲もできていなくて歌も聞いていないのに」と笑わせたが、観光大使として、同市最大のイベント「ひょっと夏祭り」への出演も約束した。
日向岬は、日豊海岸国定公園の南端に位置する、全長約5キロのリアス海岸にある。恋に破れた女性が1人日向岬を訪れ、また明日に向かって生きていこうとする作品だ。
水森は新曲を担当する作曲家の弦哲也氏に「コロナ禍で固まったみんなの心がほぐれて、温かく、明るくなるメロディーにしてください」と要望したという。実際の同曲はポップ調に仕上がった。
水森は「こんなすてきな歌が出来上がりました。悲しい別れ旅の歌なのですが、そういう悲しさが全然感じられない。元気がもらえるようなすてきな歌だなと、毎回、歌わせていただくたびにそう感じています」と話した。
ミニステージ終了後には、日向岬の観光スポット、「馬ヶ背」と「願いが叶うクルスの海」の2カ所を訪れた。クルスの海が見渡せる場所ではサルスベリの木を記念植樹した。
馬ヶ背に行くには、駐車場から15分ほどの山道を歩かねばならない。観光スポットを訪れる目的は、報道陣向けの写真撮影のため。日向岬だとわかるような写真が撮れる場所だったら、報道する側としてはどこでもよかったのだが、水森は「せっかく来たのだから突端まで行きましょう」と先頭を歩いた。
スタッフや報道陣は通常の服装だが、写真を撮られる水森は桂由美デザインのロングドレスだ。この日の日向市は雨上がりの晴天で、気温は30度。写真を撮る側としては、海が見えるところだったらという、悪魔のささやきが聞こえてきたが、すべては、せっかく日向岬を訪れたのだからという、水森の前向きさに押され、馬ヶ背まで向かった。
撮影では、どんなポーズにも応じ、いやな顔1つ見せない。最後のカメラマンが撮影するまで、炎天下の中、孤軍奮闘した水森だった。
そんな気さくさは、インタビューでも同じだ。囲み取材の形式だったが、水森は「キャンドル・ジュンさん方式にしましょうよ」と、水森の隣に記者が座って、質問することに。ウイットに富み、気さくで、どんな質問にも自身の言葉で答えてくれる。ただ、恋の話の流れの中で「交換日記とかは…」と、最近のヒットワードを出したところ、さすがに事務所関係者から「それだけは」と止めが入り、会場は笑いにつつまれた。
仕事ではあるものの、とても楽しい取材現場。それが、水森のいつもの現場なのだ。【竹村章】



