5月2日からハリウッドで全米脚本家組合(WGA)によるストライキが続く中、全米映画俳優組合(SAGーAFTRA)もストライキに突入する可能性が現実味を帯びてきた。今月30日に現行の契約が終了するSAG-AFTRAは、ハリウッドの大手スタジオと新たな契約について話し合いを行っているが、期限までに合意が得られなかった場合はストライキに入ることが組合員の投票で可決している。そんな中、米女優メリル・ストリープ(74)やジェニファー・ローレンス(32)ら300人以上の俳優や女優が、ストライキ実施を支持する書簡を送ったことが分かった。

SAG-AFTRAは、報酬と福利厚生の改善、ストリーミングサービスが台頭する中で貢献価値を反映した2次使用料、人工知能(AI)の利用の制限、キャスティング関連の規則などを求めていると伝えられている。SAG-AFTRAの代表は、「交渉は非常に生産的」だとして合意達成に前向きなメッセージを24日に組合員に送っていた。しかし、これを受けてハリウッドのトップ俳優らが「SAG-AFTRAのメンバーは、リーダー陣にはない犠牲を払う準備ができているだろう」と記す書簡に署名。米ローリングストーン誌が入手した書簡には、「過去10年間で、私たちは賃金、専門的な技術、創作の自由、組合の力が全て損なわれてきたと感じている。これらの軌道を逆転させる必要がある」と記されており、ストを決行するリスクを取ってでも妥協はしない姿勢を示していると伝えている。

もうすぐ2カ月になるWGAのストライキは、すでに多くの映画やテレビ番組の制作に影響を及ぼしており、映画「スター・ウォーズ」や「アバター」など人気シリーズでも新作の公開が延期されている。加えて2000年以来23年ぶりにSAG-AFTRAもストに踏み切れば、7月1日午前0時1分からはほぼ全ての撮影がストップすることになる。映画のみならず、俳優が出演するテレビ番組も制作できなくなることから、影響はより広範囲に及び、業界全体のさらなる混乱と経済的損失は避けられない。契約終了まで48時間を切る中、ストライキ突入となるのか注目が集まっている。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)