さとうほなみ(34)が1日、東京・テアトル新宿で行われた映画「花腐し」(荒井晴彦監督、11月10日公開)完成披露舞台あいさつに出席し、劇中で描かれた雨のシーンで、あまりに製作陣が雨を降らしたため「上、向くと溺れる」ほどだったと吐露した。
「花腐し」は、日本を代表する脚本家の1人の荒井晴彦監督(76)が作家・松浦寿輝氏が芥川受賞を受賞した同名小説を、大胆に意訳して映画化。主演の綾野剛(41)がピンク映画業界で監督を務める栩谷(くたに)修一、柄本佑(36)が脚本家志望の伊関貴久、さとうは女優の桐岡祥子を演じた。
司会から、劇中の雨のシーンが名シーンだと絶賛の声が出た。綾野が「ずぶぬれですよね。映像に映るのに、雨量が必要。感動した」と振り返れば、柄本も「(画面の)奥の方とか、濡れていないなというのはあるけれど、今回はそんな粗はない」と胸を張った
劇中では、過去をカラー、現代をモノクロで描き、時制を表現している。柄本が「モノクロは(雨を降らすシーンは、カラーの)1・5倍くらいしないと見えない」と言えば、綾野は「職人技ですね」と絶賛した。
そのやりとりの中、さとうは「上、向くと溺れるんですよ。ずっと雨、続いているんで」と、猛烈な雨を降らせての撮影だったと振り返った。綾野は「しかも新宿ゴールデン街で…すごいですよ」と、撮影場所まで明かした。
話を聞いていた荒井晴彦監督(76)は「雨、降らすの(スタッフ)と、ぬれる人が大変」と笑ったが、さとうは「監督のジャケットを着たら、ずぶぬれ。(監督は)帰る時、服がなかった」と、雨中のシーンを演じた際、同監督から借りたジャケットを着て演じたとと振り返った。
綾野は「『この服より、より、これを着てみる?』と、着たのが良かった」と、さとうが荒井監督からジャケットを借りた経緯を説明。「僕の私服を貸して、返してもらった」と、帰宅時に荒井監督に私服を貸したと説明した。同監督も「返ってきました」と、さとうに貸した服が返ってきたと振り返った。