ドラマ「男たちの旅路」「岸辺のアルバム」「ふぞろいの林檎たち」などで知られる脚本家の山田太一(やまだ・たいち)さん(本名石坂太一=いしざか・たいち)が11月29日に老衰のため、川崎市内の施設で亡くなったことが1日、分かった。89歳。フジテレビが発表した。

「ふぞろいの林檎たち」で仲手川良雄役を演じるなど、数々の山田さん作品に出演した中井貴一(62)が同日、「感謝の言葉しか有りません。」と題してブログを更新し、山田さんへの感謝の思いをつづった。

中井は「山田太一さんの訃報を受けました。まだ、役者として右も左も分からなかった頃、『ふぞろいの林檎たち』の面接でお会いしたのが、今から42年前。その頃、既に大巨匠脚本家だった山田太一さんでしたから、さぞかし怖い方なのだろうと、かなり緊張しておりましたが、実際は、物腰柔らかで、とてもジェントリーにお話をして下さいました」と「ふぞろいの林檎たち」出演前に面接を受けた当時を振り返った。

そして「出演が決まり、初日の本読み、顔合わせの時も、物腰柔らか。しかし、本読み終了時、『私の台本は、語尾の一つまで考えて書いておりますので、一字一句変えない様に芝居をして下さい』と、ピシャリ。物腰とは裏腹に、実に辛辣にお話をされる方でも有りました。台本を通して、私に芝居というものを教えてくださっただけでなく、その台本から、人としてのあり方までも教わった様に思います」と、山田さんの台本から芝居、人としてのあり方まで教わったと感謝した。

中井は「言い尽くせぬお世話になりました。でも、もう一度、山田さんの台本で芝居がしたかった。心からご冥福を祈ります」と山田さんと再タッグを組めなかったことを惜しんだ。