吉沢亮(29)が映画「ぼくが生きてる、ふたつの世界」(呉美保監督、24年公開)で主演を務めることが8日、分かった。耳のきこえない両親の元で育った息子の心の軌跡を体現する難役に挑戦する。

同作は「そこのみにて光り輝く」「きみはいい子」などで知られる呉監督の9年ぶり長編最新作。“耳のきこえない母”と“きこえる息子”の心に響く家族の物語を繊細に紡いでいく。作家の五十嵐大氏の実録ノンフィクション「ろうの両親から生まれたぼくが聴こえる世界と聴こえない世界を行き来して考えた30のこと」(幻冬舎刊)が原作で、「正欲」「アナログ」が話題の港岳彦氏による脚本で作り上げた。

吉沢は「感情の内側までも表現してくれる手話は口以上に多くを語り、言葉とはただ吐き出すものではなく、伝えるものであると言う、当たり前であるはずのことを改めて教えてくれました。コーダとして生まれた葛藤を抱えながらも、両親から沢山の愛を受けて育った五十嵐大さんの人生を、昔からご一緒したいと夢見ていた呉美保監督と共に丁寧に生きさせてもらいました。お楽しみに」とコメントしている。

同作で初タッグを組む呉監督も「原作を読み、きこえない両親に育てられた五十嵐大さんの人生に触れ、コーダならではの情緒と葛藤に、まだまだ知らない世界はあるのだなと無知を学びました。同時に、親と子の極めて普遍的な感情にも触れ、自分自身の家族へのいつかのざんげが一気によみがえり、これはマイノリティーにはとどまらない、大いなるアイデンティティーの物語だと、強く思いました。久しく映画作りからは遠ざかっていましたが、いつか復帰できるなら絶対にこの方と、と勝手に心に決めていたのは吉沢亮さんです。彼の、繊細かつ制御された芝居の奥底にある魂の叫びをのぞき見たくて、さらにはまだ見ぬ新しい吉沢亮に出会いたくて、9年ぶりの長編映画に臨むに至りました」とした。