演歌歌手八代亜紀さんが昨年12月30日に急速進行性間質性肺炎のため死去していたことが9日、分かった。八代さんの公式サイトで発表された。73歳。熊本県八代市出身。
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舟唄(ふなうた)は79年5月発売の八代さんにとって初の男唄で代表作だ。同年のNHK紅白歌合戦で初の大トリを務めた。
本来は作詞家の阿久悠氏が、戦後の歌謡界の女王・美空ひばりさんを想定して書いた作品だった。そのため原作は、八代さんが歌った「沖の鴎に深酒させてヨ…」とは歌詞が違っている。原作は「鴎 なぜ来る お前だけ 港はなれて 何百里 もしや鴎よ お前の名前 ハマのアケミといやせぬか」だった。
阿久氏が八代さんが歌うことを想定して、この部分を神奈川県民謡のダンチョネ節に変えた。諸説あるが、ダンチョネ節は「断腸の思い」(非常に苦しく悲しい気持ちの意)が語源とも言われる。別れた娘への未練が伝わるフレーズだ。阿久氏は「八代さんが歌って傑作になった」と語り、八代さんは「この歌で今も私がいる」と語っていた。【笹森文彦】



