演歌歌手の吉幾三(71)が21日までにYouTubeチャンネルを更新。飛行機内で「横柄な態度」で振る舞っていたという国会議員の実名を明かして苦言を呈した。

吉は昨年5月、「私は怒ってます!」と題した動画で、飛行機のファーストクラスに座っていたという国会議員について「言葉の遣い方とかが乱暴でよ」と、「横柄な態度」で客室乗務員らに接していたと告発。「国民を代表して出てる人は横着な態度はやめてもらいたい」と訴えていた。

その時点では国会議員の名前について公表を控えていたが、今回アップした動画では、現役のキャビンアテンダント(CA)から寄せられたとする手紙を公開するかたちで、当該議員が自民党の長谷川岳参院議員(53)だと公表した。

同CAの手紙では、長谷川氏が搭乗する際には事前に航空会社から注意事項が伝達されるといい、「長谷川さまご自身も周りに有権者の方々がいらっしゃるという意識はないようで、非常に高圧的な言い方をされます。到着が遅れることに関しては、鬼の首を取ったような言い方でクレームをされます」「長谷川さまが気づきと態度を改めていただくきっかけになってほしいと思います」などと書かれているとした。

吉はこの手紙を受け、あらためて「大人だったら、ましてや国会議員だったらよ、ある程度、歳いったらちゃんとした人の接し方をしなきゃ恥ずかしいよ」とバッサリ。また、航空会社に対しても「こういう事て航空会社で許してるの?国会議員だから何言われても我慢しろって言ってるわけ?あなた方、おかしいよ」と苦言を呈した。

長谷川氏は21日、「本日は航空政策および飛行機の遅延についての考え方を述べたいと思います」のタイトルで自身のブログを更新し、「私は、航空会社の対応について、機内で発言をする際、三つの原則に従います。一つ目は『正確な情報を伝えているか』、二つ目は『不都合な情報をしっかりと開示しているか』、三つ目は、『正しい見立てを立てた情報発信となっているか』の三点です」と説明。それぞれについて、過去に利用した飛行機の出発が遅延した状況と、その際に発言した自身の考えを記した。

1つ目の「正確な情報を伝えているか」については、出発が大幅に遅れた実例を挙げ、「出発時間をとうに過ぎてから『管制の指示によって出発許可を待っているため遅れが生じている』との機内アナウンスが入りましたが、外を見て驚きました。まだ航空会社は機内への貨物の搬入作業の途中であり、相当な貨物が残っている状況でした。遅延の原因は管制の指示ではなく、また、出発許可以前の話であり、航空事業者の準備が遅れているために、出発が遅れている状況が一目瞭然でした」と説明。「これを航空当局の責任にすりかえ、そしてそれを情報として流すことは許されるものではありません。そのことについてその場で発言をさせていただきました」と発言した理由を記した。

2つ目の「不都合な情報を開示しているかどうか」についても、「出発準備に時間が生じている」との説明と実態が違った例があったと主張。「搭乗券と機内の搭乗者数に大幅な差異が生まれ、その確認業務に多くの時間を要しておりました。本来ならば、テロあるいは不審者侵入防止の観点から、このミスは由々しき問題であります。しかし、その状況は伏せられ、機内では『搭乗、出発準備に時間を要している』とのアナウンスだけでありました。すべてを開示できないまでも、搭乗名簿と搭乗者数が異なった状況であり、本来ならばその確認に時間がかかっていることが航空会社の開示するべき情報であり、その場で発言をさせていただきました」と説明した。

3つ目の「正しい見立てを立てるかどうか」についても説明。実際の体験として「出発が大幅に遅れ、そのアナウンスが入りました。『10分ほど遅延をする』とのことで、乗客の方お一人が、突如飛行機を降りることとなったことが原因でありました。しかし、その方の荷物を貨物室から取り出し、そしてさらには離陸許可を得るには50分以上の時間がかかるはずです。実際は60分近くの遅延となりました。本来、地上業務と客室と貨物室とが十分な連絡をとっていれば、1時間近く遅延が見込まれる時間を乗客に伝えることができたはずであります」として、意見を述べたとした。

長谷川氏は「私自身も、航空行政に関わる以上、民間の事業者の皆さんの努力にあわせて、空港側、行政側の努力も最大限求めて行くことに変わりはありません」とした。

長谷川氏は22年の参院選北海道選挙区で3選。「参議院地方創生及びデジタル社会の形成等に関する特別委員会」委員長などを務めている。