25年にフランス・ニースで第1回が開催された世界初・世界最大級のAI映画祭「WORLD AI FILM FESTIVAL」(WAIFF=ワイフ)のインターナショナル・パートナーとして、3月12、13日に京都市のロームシアター京都 サウスホールで「-2026 in KYOTO」が開催される。現在、作品を募集中で、2月15日午後11時59分(日本時間)までのエントリー締め切りを設定している。
18年の映画「カメラを止めるな!」の原案となった舞台「GHOST IN THE BOX!」を上演し、共同原作者となった和田亮一氏(TOKYO EPIC代表)が、WAIFF日本代表を務める。同氏をはじめ、アニメプロデューサー・脚本家の櫻井大樹氏(サラマンダー代表)、公開中の、細田守監督の新作アニメ映画「果てしなきスカーレット」を手がけたスタジオ地図の齋藤優一郎代表取締役、プロデューサーと、小説家の乙一氏らが審査員を務める。代表して4氏がコメントを発表した。
和田亮一氏 AIは、誰かの表現を代替するための道具ではありません。それは、まだ言葉になっていない想いや、これまで形にできなかったビジョンを、世界に届けるための新しいカメラだと僕は考えています。WAIFFは、技術の優劣を競う場ではなく、「AIをどう創造性に活かし、あなたが何を語ろうとしているのか」を最も大切にする映画祭です。このフェスティバルが、あなたの作品が世界へ踏み出す“最初の一歩”になることを願っています。皆さまの挑戦的で、自由で、まだ見ぬ映像体験に出会えることを、心から楽しみにしています。
櫻井大樹氏 僕は、昔からAIという存在に強い関心があった。東京大学で修士号を得た論文も、ロボットとAIにまつわる研究である。そしてまた、アニメ脚本家になった後も、AIと人間にまつわる物語を繰り返し執筆してきた。僕が書いた「攻殻機動隊SAC」のタチコマのエピソードなどは、その一例である。いま様々な業界において、Artificial Intelligenceという曖昧な存在について、賛否両論の議論が巻き起こっている。今回、僕がWAIFFの審査員のオファーをいただいた際にも、引き受けるべきかどうか、だいぶ迷った。しかしこの映画祭においては、応募作品に賞を出すだけではない、という事実が、僕にとっては興味深かった。様々な座談会や技術展示。あるいは著作権侵害にまつわる模擬裁判のような企画も実施予定だという。だとすれば、このようなイベントの存在は、AIと人間の未来を考えていく上では、必要なプロセスなのではないか、と思うに至った。WAIFFという映画祭が、AIと人間の未来について(AI賛成派にとっても反対派にとっても)建設的な議論をするための、ひとつのキッカケとなることを願っている。
齋藤優一郎氏 映画とは現代を映す鏡。今を描ききった映画を観たい。
乙一氏 もしも映画の歴史が千年続くなら、今はまだ最初の一歩を踏み出したにすぎません。変わり続けるからこそ、映画は人類文化の鏡像となり得たのでしょう。AIによって創作された作品もまた、すべて私たちの鏡像です。WAIFFに、はたしてどんな作品が応募されてくるのか、今から楽しみでなりません。そこにあるのは、個人の夢が純粋な形で示されたものに違いありません。これまでの映画業界、映像業界のシステムでは、実現するはずのなかった物語を、形にする方法が与えられたのです。私たちはだれでも、自由に、物語を紡ぐことができます。各社の提供するAIの特性を熟知してください。現時点での限界や問題点を把握し、機転と発想力で乗り切ってください。最高の作品をお待ちしています。 小説家・乙一



