歌手加藤登紀子(82)が2月15日に東京・文京区の東大大講堂(安田講堂)で開催する「東京大学150周年記念チャリティコンサート『安田講堂で奏でるイマジンコンサート』」の取材会を都内で行った。東大が主催する音楽公演は初めて。加藤は対談とライブを行う。
安田講堂は安田財閥の創始者・安田善次郎さんの寄付で1925年に完成。善次郎さんはジョン・レノンの妻オノ・ヨーコさん(92)の曽祖父にあたる。
加藤は冒頭で「安田善次郎さんが匿名で寄付をして25年に大講堂ができた。工事中に関東大震災があり、善次郎さんも暗殺された。だから通称で『安田講堂』と呼んできた歴史があります」などと会場について説明した。
東大在学中に歌手デビューをした加藤は6年かけて卒業単位を取得。68年に卒業したが、学生運動「東大紛争」の余波で卒業式はなかった。「歌手3年目で卒業式をボイコットするかどうか大きく悩みました。6年生なので(同級生の多くが4年で卒業して)友だちがあまりいなかったが、座り込みのデモをしていたら医学部の学生と再会したり、知っている顔がたくさんあった。ボイコットのおかげで昔の友だちに会えた」と当時を振り返った。
その思い出の場所でのコンサートだ。「安田講堂で歌うのは、あの時代を生きてきてどう思ったのか。キチンとした整理をしないといけない。功罪あったが、いろんな意味で客観的に見つめておきたい」とケジメのライブだと訴えた。
公演のサブタイトルを「イマジンコンサート」と名付けたことにも言及した。「オノ・ヨーコの曽おじいさんの寄付でできた。ジョンの楽曲『イマジン』は『もし国境がなければすばらしいね』という、平和のメッセージが込められている。日本には『戦争で物事を解決するのはやめましょう』という憲法がある。そういう姿勢を守り続けたのは世界に誇れること」。そして「その『イマジン』を安田講堂で歌います。私は政治的なことの限界を痛烈に経験している。複雑な、伝えにくいことをきちんと伝える表現者になりたくて歌手になった。分断を超えるために歌がある。安田講堂は私のスタートライン。当日は私のテーマに大きな花火を上げます」と力を込めた。



