シンガポールで21日、東南アジア最大規模のアニメ・フェスティバルが2日間の日程で開幕した。夜にはコンサートがあり、バーチャル(仮想)歌手の「初音ミク」が“海外初公演”を行った。

 東南アジアでは日本のポップカルチャーの人気が高く、会場の大型会議場には開幕直後にコスプレ姿の若者ら数千人が入場するなどにぎわった。主催者は2日間の人出を5万人と見込んでいる。

 コンサート会場でスクリーンに映写された初音ミクは、実在の歌手のように踊り、代表曲「みくみくにしてあげる♪」など3曲を歌った。立ち見を含め約3千人のファンはライトスティックを振りながら、「ミクー!」と大歓声を上げた。

 コンサートでは「しょこたん」こと中川翔子さんや「アニメソングの帝王」と呼ばれる歌手水木一郎さんも熱唱した。

 「電子の歌姫」とも呼ばれる初音ミクは、パソコン上で歌声を合成するソフトだが、ユーザーが作った曲や、製品の女の子のキャラクターをモチーフにした動画がネットに次々と投稿されて国際的なアイドルとなった。

 初音ミクのコスプレ姿のシンガポールの高校生フランさん(17)は「ミクの透き通った声が大好き。いつも『ニコニコ動画』(日本の動画投稿サイト)でチェックしています。日本語の歌詞でも、英語の字幕を付けてくれている人がいるから大丈夫」と話した。

 会場では東南アジア各国の代表によるコスプレのコンテストが行われたほか、「機動戦士ガンダム」放送開始30周年の記念展やメードカフェもオープン。日本のアニメやゲーム関連商品の店で、フィギュア(人形)などが売られた。(共同)

 [2009年11月21日23時31分]ソーシャルブックマーク