本木雅弘(60)が27日、東京・新国立劇場小劇場で、今日28日開幕の朗読劇「たとへば君 四十年の恋歌」囲み取材とゲネプロを、森口瑶子(60)とともに開いた。本木にとって、舞台は95年の「女中たち」以来31年ぶりで、朗読劇も初挑戦だったが「初尽くしで、実は私、稽古の間に熱を出した」と明かした。「少なくとも結婚して31年間、風邪を引いたことがなかった。もっと、さかのぼると40何年、仕事に穴を開けたことがなかった。60歳にして、初めて高熱を出してしまい、仕事に穴を空けました」と、申し訳なさそうに口にした。

当時を振り返り「熱が出ている自分にさえ、気づいてなくて。何で目の奥、頭の奥が痛いんだろう? この疲れ方は何だろう? と…。熱が出ている体の感じさえ、自分の中で記憶が、ほとんどなかった」と風邪の経験がなく、風邪だと気付けなかったと口にした。「夜になって、ものすごい悪寒がし始め、体が震えて初めて、熱だったのか? と計ったら8度(38度)以上あった」と続けた。

その1件で、還暦を迎えた我が身の変化を痛感したという。「大変、申し訳ない気持ちとともに、60歳って精神的な変化だけじゃなく肉体も、自分の想像とは違うペースで動き始めるものがあったりするんだなと、つつましい気持ちになった。もう少し、心身を大事にしながら、仕事の責任を全うしていかなければいけない」と語った。「それが、良いプレッシャーになって、どんなに無理したって、難しいことは難しい、現状の自分を受け止めて、最大限の自分を出す、というメッセージの風邪。今、持てる力をもって、素直に舞台に向き合うべきだと思えた」と、かみしめるように語った。

「たとへば君 四十年の恋歌」は、夫婦で歌人の河野裕子さんと永田和宏さんの同名共著(文春文庫)が原作。同書は、10年8月に乳がんで亡くなった歌人の河野裕子さんと、科学者で歌人の永田和宏さんが出会ってから、妻裕子さんの死までの40年に残した相聞歌380首と折々のエッセーや肉声で、2人の葛藤と日常の記録がつづられた。