島倉さんと同じコロムビア全国歌謡コンクールで優勝経験がある歌手五木ひろし(65)が8日、大阪・新歌舞伎座で、座長公演(9日初日)けいこの合間に訃報を知り、涙をこらえながらコメントした。

 「去年の12月、遠藤実さんのメモリアルコンサートでお会いしたのが最後でした。少しお元気がないかなとは思いましたが、病気とは知りませんでした」

 故美空ひばりさんとともに、昭和歌謡界を引っ張ってきた大先輩へ思いをはせた。「ひばりさん、島倉さんと2人の女性が日本の歌謡界をリードされていた。少し遅れてではありますけど、私も多くの番組に共演させていただき、たくさん思い出をいただきました」と話すと、天を仰いだ。

 島倉さんは何歳になっても初心を忘れない初々しさがあり、それがいつまでも「かわいい」と称されてきた。五木も「きれいな花でしたけど、でも、その中に女性のもつ奥ゆかしさもありました。着物の似合う女性で、強くなければいられないこの世界(芸能界)で、優しさを見せてくれた人でした」と話す。

 2~3年前、五木が小椋佳氏とテレビ出演し、自身のヒット曲「山河」を歌ったことがあった。島倉さんはこの模様をテレビで見ていたと言い、後日、五木に「正座をして見たのよ」と話し掛けたという。「どういう理由で正座されたのかは分かりませんけど、びっくりしたのを覚えています」と言い、突然の別れに「早すぎますね」と言葉を絞り出した。

 通夜、葬儀については、座長公演のスケジュールとの兼ね合いだが「伺えるのなら伺って、お別れをしたい」と話していた。