AKB48のグリコCM「アイスの実」のために作られたCG合成の新メンバー江口愛実(16)の実物が、コンサートにサプライズ出演した。グループ初のドームコンサートを埼玉・西武ドームで22日から開催。最終日の24日のアンコールに突如出現し、3万人の観客をあぜんとさせた。また、9月20日の日本武道館での「AKB48

 24枚目シングル選抜じゃんけん大会」の組み合わせ抽選も行うなど、サプライズずくめだった。

 AKB48のいたずらは、想像の域を超えるから驚かずにはいられない。アンコール冒頭で、大型スクリーンに「アイスの実」のCMが流れ、先月に存在の有無が話題になった江口が映し出された。続いて現れたのは、CM共演した前田敦子(20)らメンバー。その間から割って登場したのが、実物の江口だった。

 前田や大島優子(22)ら複数メンバーの顔のパーツを組み合わせてCG合成した、というのが江口の真相だったはずだが…。興奮していた観衆の声援も、一瞬止まる。江口は、かまわず歌い踊りだす。どう見ても、あの江口だ!!

 歌い終わると、何も言わずにステージを去り、観衆もどよめくしかなかった。

 西武ドームに不思議なムードが広がる中、秋元康プロデューサーは満足そうにほくそ笑んだ。「江口はCGだったと分かり、ファンの皆さんが落ち着いたところで、もう1回仕掛けてみたかった」。ハリウッドで活躍する有名な特殊メークアーティストが、CMで江口の声を演じた研究生の佐々木優佳里(15)をメークでそっくりにさせていたのだ。

 さすがに観客の心をモヤモヤさせたままでは、帰らせられない。最後のMCで高橋みなみ(20)が「皆さん、江口愛実がいたのお気づきでした?

 ある方になっていただきました。佐々木優佳里でーす!」とネタ明かし。「今どこにいるの~?」と佐々木を舞台に呼んだが、突如のアドリブにニセ江口は出てこずじまい。大島が「あれ?

 やっぱり幻だったんですか?」とオチをつけて、観衆は爆笑した。

 ちょうど6年前の05年7月。AKBの発足前から開設した公式ブログのタイトルは「AKB48

 TOKYO

 DOMEまでの軌跡」。東京ドームではなかったが、同じプロ野球が球団が本拠にするスタジアムで初ライブを実現させた。歌と踊りはもちろん、江口のようなサプライズまで楽しめる。3日間で9万枚のチケットが即日完売なのは、必然だ。【瀬津真也】