先週11月22日は「いい夫婦の日」。東海テレビ(名古屋)のニュース番組でユニークなカップルを紹介させてもらった。岐阜県が今年制定した「パートナー宣誓制度」の第1号、谷村祐樹さんと中村文亮さんの日常を淡々と追った。

5年前、青年海外協力隊で知り合い、同性婚が認められていない日本で、病院の付き添いなどが制度によって「家族同等」となった2人。家の掃除のことでちょっぴりもめたり、ゲームをしたり。ネコも一緒のごく普通の家庭が、そこにある。

もちろん、これまで平坦(へいたん)な道を歩いてきたわけではない。一時は「この世にいてはいけない存在と思い詰めた」という谷村さん。中村さんは「長男は家を継ぐ、墓を守るという厳格な家で苦しかった」という。

そんな2人が、いま共通して抱く思いは「たまたま同じ性の人を好きになっただけ」。マイノリティーや同性婚の権利を声高に求めるのではなく、「それぞれの人の人生が、それぞれ祝福されたら」と願っている。

11月22日を前に名古屋では、NPO法人が愛の形に平等を求めて全国で展開する「私たちだって“いいふうふ”になりたい展」が開かれた。その会場には幸せそうに笑い合う2人のポートレートも飾られた。

平仮名の「ふうふ」には、夫夫、婦婦、夫婦。このどれもが当てはまるという。

2人を追ったニュースの終わりは、友人たちのフラワーシャワーを浴びるささやかなウエディングシーン。スタジオの私の胸には70年代、佐良直美さんが歌った「いいじゃないの幸せならば」と「世界は二人のために」が、続けて流れているようだった。

◆大谷昭宏(おおたに・あきひろ)ジャーナリスト。TBS系「ひるおび」東海テレビ「NEWS ONE」などに出演中。