茶どころの静岡県で新茶シーズンの始まりを告げる「新茶初取引」が12日、静岡市葵区の静岡茶市場で開かれ、同市清水区で生産された機械製法の茶が1キロあたり約111万1111円の最高値をつけた。茶市場によると、3月末に低気温が続いたことなどから生育が遅れ、県内茶の初日の取引量は例年を下回っているが、品質は良好という。

午前7時過ぎに取引開始のベルが鳴ると、農協関係者や茶商が価格交渉を開始。会場には「パン、パン、パン」と取引成立を表す手拍子が鳴り響いた。

最高値の新茶を買い取った同市の製茶問屋社長和田夏樹さんは「一番良いお茶だと思い、それに見合う値段を付けたいと思った。(茶から)芳醇(ほうじゅん)で奥ゆきのある香りを感じた」と評価した。

茶市場によると、12日午前8時時点で県内茶の取引量は50・8キロ。1キロあたりの平均単価は7万7637円だった。茶摘み作業は4月下旬にも最盛期を迎える。

今年の初取引は昨年より1日早まり、これまでで最も早い取引となった。茶市場の内野泰秀社長は「少しでも早く日本中に新茶の香りを届けたい」と意気込みを語った。(共同)