岸田文雄首相は21日、衆院3補欠選挙のうち、島根1区に唯一出馬した自民党候補の応援のため島根県入りした。

奥出雲町の街頭演説では、党派閥政治資金パーティー裏金事件を陳謝。「政治の信頼回復へ先頭に立ち、責任を持って進める」と強調した。立憲民主党の泉健太代表も同県安来市で、事件を批判し「一緒に政治を変えたい」と支持を訴えた。28日の投開票へ残り1週間となり、両党トップが論戦を繰り広げた。

首相は演説で「今、自民に大変厳しい目が注がれている」と、党が逆風の状況にあることを認め、裏金事件を受けた政治資金規正法の今国会中の改正を目指す考えを重ねて示した。告示後初の島根入りには、議席死守に向けて、てこ入れを図る狙いがある。

泉氏は街頭演説で「今回の補選で勝てば、自民に『国民の声を聴かなければいけない』と心変わりを促せる。力を与えてほしい」と呼びかけた。

残る2補選のうち、長崎3区は立民と日本維新の会による野党同士の一騎打ちとなった。東京15区は計9人の争い。立民、維新、参政党が候補を立て、無所属や諸派の計6人が出馬した。(共同)