共同通信社は20、21両日、衆院3補欠選挙について電話調査や取材を基に情勢を探った。唯一、与野党対決の構図となった島根1区は立憲民主党元職が先行し、自民党新人は苦戦。9人が立候補した東京15区は立民新人がややリードし、日本維新の会新人らが追う展開だ。長崎3区は立民前職が維新新人に対し、優位に戦いを進める。投票先未定の有権者もおり、28日の投開票日までに情勢が変わる可能性がある。

島根1区は、立民元職の亀井亜紀子氏(58)が立民支持層の9割強、支援を受ける共産党の支持層の8割程度を確保。自民支持層の2割強を切り崩した。自民新人の元中国財務局長、錦織功政氏(55)=公明推薦=は自民支持層、公明支持層について、それぞれ6割弱、5割程度をまとめるにとどまっている。亀井氏が「支持する政党はない」とした無党派層の6割を獲得し、1割の錦織氏に大差をつけた。地域別で見ても、大票田の松江市でリードしている。

自民候補不在の東京15区では、立民新人の元江東区議酒井菜摘氏(37)が立民支持層の7割強を押さえた。維新新人の元会社員金沢結衣氏(33)=教育推薦=は、維新支持層の5割強しか固められていない。

諸派新人の大学客員教授飯山陽氏(48)は自民支持層の1割強、小池百合子都知事が擁立を主導した無所属新人の作家乙武洋匡氏(48)=国民推薦=は公明支持層の4割程度の支持を集めている。

長崎3区では、立民前職の山田勝彦氏(44)=社民推薦=が立民支持層の9割程度に浸透。維新新人の学習塾経営井上翔一朗氏(40)=教育推薦=は維新支持層の6割強の支持を得た。候補擁立を見送った自民の支持層は両氏に2割強ずつ流れている。

電話調査は東京15区、島根1区、長崎3区の有権者と答えた人が対象。東京15区で1019人、島根1区で825人、長崎3区で645人の有効回答を得た。(共同)