妻の署名を勝手に書いた離婚届を提出したとして、有印私文書偽造・同行使などの罪に問われた茨城県立つくばサイエンス高(つくば市)の元副校長遊佐精一被告(53)は23日、東京地裁(内山裕史裁判官)の初公判で「違うところはない」と起訴内容を認めた。検察側は懲役1年6月を求刑し、弁護側は寛大な判決を求めて即日結審した。判決は5月8日。

検察側の冒頭陳述などによると、交際相手の女性が妊娠したことなどから2022年1月、当時の妻に離婚を切り出したが拒否され、説得しきれないと考えた。交際女性に「署名はしてもらえなかったが同意は得られた」とうそを述べ、離婚届に妻の名を書かせた。

弁護側は、被告が深く反省し、正式に離婚した妻に被害弁済が済んでいるとして執行猶予付きの判決が相当と主張した。

茨城県教育委員会によると、被告は昨年4月に公募で副校長となり、ことし2月に警視庁に逮捕され依願退職した。公募採用時の資料などによると、東大発の医療ベンチャー「テラ」で役員を務めていた。

起訴状によると、22年1月、妻だった女性の署名を偽造した離婚届を東京都千代田区役所に提出したとしている。(共同)