栃木県上三川町の強盗殺人事件で、逮捕された横浜市の夫婦が事件当時、実行役とされる少年4人にリアルタイムで通話し指示していたことが、捜査関係者への取材で分かった。県警下野署捜査本部は、脅して参加させた少年らを監視する目的もあったとみている。事件は21日で発生1週間。匿名・流動型犯罪グループ(匿流)事件として、さらに上位の指示役がいるとみて全容解明を進める。
捜査関係者によると、逮捕された少年4人のうち一部が、竹前海斗(28)、妻美結(25)の両容疑者から「やらなければ家族や友人を殺す」などと脅されていたと供述。夫婦は容疑を全面的に否認している。
捜査本部は、少年らが現場に乗ってきた白い外車は夫婦が貸したとみている。刃物やバールなどの凶器や、目出し帽なども夫婦から渡されたとの一部供述があるといい、慎重に調べている。
少年4人は、神奈川県の16歳高校生。15日に逮捕された相模原市の少年は事件前から夫婦と面識があったとみられ、他の3人を勧誘した可能性がある。少年側からは「夫婦に頼まれた」との供述の他、事件に関わったことを後悔する発言もあったという。
捜査関係者によると、夫婦が栃木県内の指示場所まで乗ってきた車は長野ナンバーだった。事件前に高速道路のサービスエリアで6人全員が初めて集合したという。
事件は14日午前に発生。富山英子さんが自宅で殺害され、長男と次男が負傷した。(共同)
◆匿名・流動型犯罪グループ 交流サイト(SNS)などを通じて犯罪ごとに離合集散を繰り返す。メンバー間でも詳しい素性を知らないことがあり、秘匿性の高い通信アプリなどで連絡を取り合うため、指示役を特定しにくい。「闇バイト」募集に応じ、実行役として加担する若年層が目立つ。「ルフィ」らを名乗る指示役による広域強盗事件で注目が集まった。
★栃木の強殺事件巡る経過
◆4月上旬 栃木県上三川町の富山英子さん次男宅で窃盗被害。富山さん宅の情報が書かれた物が盗まれる
◆5月6日 富山さん宅周辺で不審な車の目撃情報
◆7日 盗品ナンバープレートを付けていたことから、不審な車の中にいた茨城県の男を逮捕
◆14日 富山さんが自宅で殺害され、室内が物色される。現場近くで相模原市の高校生を確保し逮捕
◆15日 2人目となる相模原市の高校生逮捕
◆16日 新たに相模原市と川崎市の高校生をそれぞれ逮捕。強盗殺人事件に使われたとみられる外車を押収
◆17日 指示役とみられる横浜市の夫婦を逮捕

