日本政府がイランによって事実上封鎖されたホルムズ海峡への自衛隊派遣を巡り、3条件を設けたことが分かった。
<1>米国とイランの停戦合意<2>イランとの意思疎通<3>現場の脅威低下-で、具体的な活動は遺棄機雷の除去や民間船舶の護衛が選択肢に上る。関係者が7日、明らかにした。米イランの緊張が続く現状では、派遣は極めて難しいとみられている。
3条件は、5月13日に開かれた英国とフランス共催のオンライン国防相会合で小泉進次郎防衛相が言及した。ホルムズ海峡での「多国籍ミッション」に幅広い支持を得るためにも条件を満たすことが必要だと訴え「米国との意思疎通も重要だ」と呼びかけた。
停戦前の機雷除去は、敷設国への武力行使に該当するため、日本の憲法で禁じる海外派兵に当たる。会合後に英政府が発表した共同声明には、日本の制約に配慮する形で、部隊派遣は「各国憲法に完全に準拠して実施される」と明記された。
日本政府内では停戦合意に備え、派遣の具体策の検討が続く。機雷除去が有力とされ、停戦成立後であれば自衛隊法に基づき可能だ。米国には日本の機雷探知・除去技術に期待する声がある。日本政府高官は「機雷が敷設されたか否か、確たる情報はないが、無いと確証を得ることにも意味がある」と指摘する。
複数の関係者によると、自衛隊法の「海上警備行動」に基づく民間船舶の護衛も選択肢になり得るという。多国籍ミッションとしてホルムズ海峡を複数の海域に分け、各国が担当区域を警戒する「ゾーンディフェンス」に参加する構想だ。
しかし、海上警備行動の保護対象は日本関係船舶に限られ、法体系の異なる他国との連携は難しいとの見方がある。首相官邸筋は、日本とイランの伝統的な友好関係を踏まえ「自衛隊派遣が敵対行為と受け取られないよう、イラン側の理解も欠かせない」と語った。(共同)

