乗客乗員520人が亡くなった1985年の日航ジャンボ機墜落事故から41年となった12日、遺族らが群馬県上野村にある現場「御巣鷹の尾根」を慰霊登山し、墓標や墜落地点の尾根に立つ「昇魂之碑」で犠牲者を追悼した。空の安全も祈願した。遺族や関係者の高齢化が進む中、事故の風化防止に向け、若い世代への継承が鍵となっている。

この日は台風15号の影響で朝から悪天候となり、雨具を着込んだ遺族らは、ぬかるむ足元を気にしながら歩を進めた。登山中に「久しぶり」「お元気でしたか」と声をかけ合う姿も見られた。

遺族らでつくる「8・12連絡会」の事務局長美谷島邦子さん(79)は、犠牲となった次男健さん=当時(9)=をしのび「思いはあの日のまま。これからもできる限り登山を続けていく」と話した。日航には「若い世代の社員をきちんと育ててもらい、安全を一緒につくりたい」と訴えた。

美谷島さんの孫で中学1年の芽生さん(13)も父真さん(54)と訪れ「『事故を知らない次の世代にも伝えていくよ』と健ちゃんに報告した」と決意を語った。

12日夕には、尾根の麓にある「慰霊の園」で追悼慰霊式が開かれる。

単独機の事故死者数としては世界の航空史上最悪。羽田発大阪行きの便で、夏休みの帰省客や家族連れなどでほぼ満席だった。犠牲者には歌手の坂本九さん=当時(43)=ら著名人もいた。生存者は4人。

日航では近年、パイロットや客室乗務員(CA)の飲酒を巡る問題が続発。今年5月には女性CA2人が乗務前日に飲酒した影響で、広島発の便が約40分遅れた。(共同)