救急搬送されたり集中治療を受けたりする患者の生命維持治療終了に関して、日本集中治療医学会など4学会は28日、新たなガイドライン(指針)を公開した。患者の意思尊重を原則とし、治療を終えるかどうかを本人や家族、医療者らが話し合って決める手順を明記した。従来指針と異なり「終末期」は定義せず、一定期間治療を試す「期限付き治療」を選択肢に位置付け、緩和ケアについても考え方を示した。
対象は年齢や疾患を限定せず、急性期の患者を幅広く想定。どこからが延命かを一律に区切ることは困難として、「延命治療」や「終末期医療」の用語は使わず「生命維持治療」と位置付けた。生命維持治療の「終了・差し控え」を検討する時期は限定していない。
日本集中治療医学会、日本救急医学会、日本循環器学会が指針を作った2014年以来の改定で、新たに日本緩和医療学会も加わった。14年の指針は意思決定や緩和ケアの具体的な記述が乏しく、患者や家族が治療終了を望んでも、医療者が法的責任を懸念して治療を続けるケースがあった。
生命維持治療を始めない、または終了する場合は、患者を中心に方針を共同決定する。意思を確認できず、推定も難しい場合は家族らと医療者が患者にとって最善の方針を検討する。治療効果や見通しが不明な場合は、一定期間治療を試して継続するかどうかを改めて検討する方法も示した。
生命維持治療には人工呼吸器や人工心肺装置ECMO(エクモ)などが含まれる。治療終了後も苦痛を和らげる緩和ケアを続ける。指針説明文では、こうした対応を生命の短縮を目的とする安楽死とは明確に区別した。
今年2月の指針案公表時に患者団体などから「いのちの切り捨てにつながる」との懸念が寄せられたことから、今回新たにQ&Aを拡充。障害や人工呼吸器の使用だけで治療終了を判断せず、「いのちを終わらせることが目的ではない」とした。(共同)

