任期満了に伴う福岡市長選が1日告示され、戦後最多の13人が立候補した。いずれも新人。政令指定都市20市の市長選でも過去最多。候補者の多くが、出馬を見送った現職高島宗一郎氏の路線継承を掲げ、明確な争点が見えにくい混戦模様だ。有効投票総数の4分の1に達する候補が出ず、公選法に基づき再選挙となる可能性もある。投開票は15日。

13人の立候補で費用が膨らみ、市側は急きょ補正予算を専決処分するなど対応に追われた。仮に、いずれの候補も当選に必要な法定得票数に届かず再選挙となれば、さらに費用がかさむのは必至。他自治体では再選挙まで1年半かかった例もあり「1回で当選者が決まってほしい」(市幹部)と懸念の声が漏れる。

市は、前回選までの最多候補数だった2010年の8人と同規模を想定し、当初予算に約6億7500万円を計上。だが候補増を受け、ポスター掲示板を追加発注するなどした結果、費用は約8億3000万円に増えた。

市側は告示約2週間前の10月16日、補正予算を専決処分。再選挙の場合は同程度の金額がかかる見込みで、市関係者は「さらに補正予算を組む必要がある」と指摘した。

○…総務省によると、法定得票数に届かず再選挙となった首長選は少なくとも7例。このうち1992年2月の奈良県広陵町長選では、異議申し立て期間中に1陣営から選挙無効の訴えがあり、訴訟に発展。再選挙が行われた93年8月まで町長不在の異常事態が続いた。当時を知る職員は「暫定予算を組んで継続事業は実施できたが、新規は難しかった」と振り返った。(共同)