自由党の山本太郎参院議員と森裕子参院議員は9日、トランプ米次期大統領が枠組みからの離脱を表明し、発効が絶望的になっている環太平洋連携協定(TPP)の承認案採決の際に、「牛歩戦術」で抗議の意思を示した。

 「2人牛歩」を行った山本、森両氏は、投票を前に議長に名前を呼ばれた後、約7分間、演壇の下や階段で立ち止まり続けた。議長に「速やかに投票してください」と促され、結果的には反対票を投じた。採決は予定より5分以上遅れたが、承認案は承認された。

 続いて行われた関連法案の投票の際は、森氏はほとんど牛歩をせずに投票。一方の山本氏は、いちばん最後に投票したものの、演壇の上で投票箱に票を投じる直前、反対票をかざしながら「TPPの中身を分かっている人が、どれだけいるんですか」と自民党席に向かって叫んだ。

 その後も言葉をつないだが、激しいやじや怒号でかき消された。関連法案は自民党などの賛成多数で可決、成立した。

 山本氏は、昨年9月、安倍晋三首相に対する問責決議案の審議が行われた参院本会議でも、「1人牛歩」を行っている。