都議会で新たな「反ドン」の動き--? 都議会自民党の立石晴康、舟坂ちかおの両都議が25日、都庁で会見し、「都政改革・都政刷新の会」という勉強会を立ち上げた上で、豊洲市場問題の真相解明に向けて、都議会に百条委員会を設置するため、自民の同僚議員の賛同を求めて署名活動を始める考えを明らかにした。

 これまで都議会では、共産党が強力な権限を持つ百条委を設置し、石原慎太郎元都知事らの参考人招致を求め、他会派にも拡大している。ただ、石原都政を支えてきた最大会派の自民党内で、百条委設置を求める動きが表面化したのは初めてだ。

 2人は、都議会自民党の「ドン」こと内田茂氏との関係が悪く、「反主流派」とされている。2人は「離党はしない。党内で刷新していく」「小池氏とコンタクトを取ったことはない」と述べたが、今回の動きが、小池氏と対立を深める内田氏ら都議会自民・主流派からの「離反」につながるとの見方も出ている。

 両氏は、報道陣に「都民の皆様へ 都議会自民党同僚議員の皆様へ」と題したペーパーを配布。都議会が、豊洲問題や20年東京五輪・パラリンピック大会に関する問題で、都議会が最終的に予算を承認したことを踏まえて、「議会としての責任を果たすため、事実関係を精査、検証するための『百条委員会』を設置し、真相解明に努めるべき」と主張。7月2日投開票の都議選を前に、2月議会で、都民への義務と責任を果たさなければならないと主張した。

 百条委では、石原氏や側近の浜渦武生氏のほか、汚染対策工事が完了したとして豊洲の「安全宣言」を出した舛添要一前知事の出席を求める意向だ。

 舟坂氏は「小池知事のスピード感、行動力に私たちはちゃんとついていいっているのかという疑問を持った。2月議会に向けて、こちらも早くスピード感をもって行動しないと、小池氏に立ち遅れてしまうと思った」と、今回の動きの背景を説明。57人の自民会派内の賛同者は、「二けたはいっているのではないか」との見方を示し、「いつでも同じ意見のようだといわれた自民党とは、これから変わるかもしれない」と訴えた。

 都議選を見据えた動きではないかとの質問には、「あくまでも議会人としての判断」(舟坂氏)と反論した。

 百条委設置には、本会議出席議員の過半数の賛成が必要。両氏は、自民党内でまず20人以上の署名を集め、公明、共産、民進の各党や、自民会派を離脱した「新風自民党」、小池氏を支える「都民ファーストの会 東京都議団」とも協議し、「百条委員会設置に必要な議員の賛同を得るまで不退転の決意で取り組む」としている。