自身の持つデビュー以来の連勝記録を「15」に伸ばした。1973年(昭48)から日本将棋連盟の記録として制定された年間「連勝賞」の過去44回の平均は15・6連勝。うち「15連勝」で受賞したのが最多の8人だ。昨年10月、史上最年少で棋士になったばかりの中学生が、早くもそのトップ棋士たちの記録にも肩を並べようとしている。歴代の連勝賞棋士には羽生善治3冠や佐藤天彦名人、この日対局した金井六段も名を連ねる。「結果については満足しています。プロとしてやっていける自信になりました」。わずかばかり、笑みを漏らした。

 本戦トーナメント進出をかけた竜王戦6組決勝の相手は、近藤誠也五段。藤井四段の1年前にプロとなり、わずか1年5カ月で昇段した20歳の若手有望株だ。日程は未定だが、今月中に対局が組まれる可能性が高い。

 藤井四段にとっては、連勝記録を13に伸ばした際の相手で、3月まで行われていた第42期棋王戦の挑戦者になった千田翔太六段に次ぐ強敵。「ぜひとも本戦(挑戦者決定トーナメント)に行きたい」。この時ばかりは、意欲を見せていた。【赤塚辰浩】