将棋の最年少プロ棋士、藤井聡太四段(14)が1日、デビュー15連勝を飾った。東京・千駄ケ谷の東京将棋会館で指された竜王戦6組準決勝で、先手の金井恒太六段(30)を90手で破った。昨年12月のプロデビュー以来、破竹の勢いで勝ち続ける中学3年生が、渡辺明竜王(33)への挑戦権をかけて各組上位11人で争われる本戦トーナメント進出に王手をかけた。次回の対局は4日、大阪市で行われる新人王戦3回戦で、横山大樹アマと対戦する。

 藤井四段は対局を終えると、ホッとした表情を見せた。「序盤に作戦負けして苦しかったが、最後まで分からないと思っていました」。時折ハンカチで口元を押さえながら、言葉を選んで話した。中盤、意を決したかのように攻め駒が徐々に敵陣に迫っていく。詰め将棋で鍛えた得意の終盤。勝ち筋を読み切ればお手のものだ。鮮やかに寄せ切った。

 「優勢になってからの藤井さんは慎重だった。うまく時間を使われて、正確に指された」。プロ11年目の金井六段も、快進撃を続ける14歳に脱帽するしかなかった。