中公新書「応仁の乱 戦国時代を生んだ大乱」(著者呉座勇一)が売れている。昨年10月に出版されて以来、約30万部を突破するベストセラー。新刊の歴史解説書としては異例の勢いだ。中学の歴史の教科書で必ず出てくる内乱だが、詳しく解説できる人は少ないはず。1467年から約11年続き、戦国時代へと流れる歴史的転換点が、550年後の今になってなぜ受けているのか?

<応仁の乱・主な中心人物>

 ◆足利義政(あしかが・よしまさ)1436~1490年。室町幕府8代将軍。銀閣寺を建てるなど東山文化を盛んにさせたが、昨今の研究で、傾いた幕府の財政と信頼を回復させようと努力していたことも明らかになっている。

 ◆日野富子(ひの・とみこ)1440~1496年。足利義政の正室。9代将軍義尚の母。夫婦仲は冷えており、別居。政治に介入し、利殖に励んだことから「天下の悪妻」とも言われたが、幕府の財政を支えていた。

 ◆細川勝元(ほそかわ・かつもと)1430~1473年。東軍の総大将。土佐(高知)讃岐(香川)丹波(京都・兵庫)摂津(大阪・兵庫)の守護大名。

 ◆山名宗全(やまな・そうぜん)1404~1473年。西軍の総大将。但馬・播磨(兵庫)安芸(広島)の守護大名。細川勝元と最初は協力して室町幕府を助けていたが、さまざまな大名家の跡目争いで対立。