福田豊園長は「シンシンは落ち着いて子どもの世話をしている。新たな命が生まれるのは喜ばしいこと。小さい命。慎重に見守りたい」と話した。乳児期の死亡率には「技術が進み、低くはなっているが最初の3カ月は不安定」と指摘し、気が抜けないとした。金子美香子教育普及課長は出産の経緯を説明。「11時52分に子どもの鳴き声を確認し、出産と判断しました。その後、午後0時38分にモニターで1頭の子どもの姿を確認しました」と続けた。

 会見では赤ちゃんの写真と映像を公開。写真はシンシンが体の向きを変えるため、いったん赤ちゃんを口でくわえている姿。映像では、小さくて姿をはっきり確認できないが、出産後、シンシンが赤ちゃんを抱き上げていた。金子課長は「母子ともに健康と判断しています。元気な場合、母が口にくわえて向きを変える時にギャーギャーと声を上げるので」と説明した。また、10時間ぐらい間をあけて生まれるケースもあるとし「もう1頭生まれる可能性も考えながら観察を続けています」と語った。

 シンシンは2月27日朝と午後、雄のリーリー(11)との間で3回の交尾が確認された。5月16日ごろから主食の竹を食べる量が減少、乳頭が目立つようになるなど妊娠の兆候が強まったとして、25日から公開が中止されていた。

 2頭は11年2月に中国から初のレンタル方式で来園。2頭の間で、12年7月に赤ちゃんが同園として24年ぶりに生まれた。交尾による出産は同園で初めてだったが、6日後に肺炎で死んだ。13年は妊娠していないのに、している特徴を示す「偽妊娠」だった。