公式戦29連勝の新記録を樹立した将棋の最年少プロ、藤井聡太四段(14)が12日、愛知県体育館で開催中の大相撲名古屋場所4日目を観戦した。

 午後4時すぎ、師匠の杉本昌隆七段(48)ととも升席に座ると、場内からは「藤井くん~」のコールが起こった。時の人をひと目みようする人や、記念撮影する人も。愛知県瀬戸市出身の藤井は握手を求められると、頭を下げながら応じた。

 打ち出し後、横綱白鵬と対面した藤井は「第一声でかわいいねと言われました(笑い)。気さくに声をかけていただいて、うれしいです」と満面の笑みを見せた。「達心志」と揮毫(きごう)入りの扇子を白鵬にプレゼントした。

 昨年2月に亡くなった祖父訓一さんが大相撲が大好きだった。5歳のときに将棋の手ほどきを受けた祖父の影響を受け、大相撲が好きになった。今回は2回目の生観戦だった。

 勝負師として学んだことも多い。「気迫のぶつかり合いを生で体感して、自分もあれぐらいの気迫で向かっていかなければと思った」と話した。

 観戦の合間にはお弁当を食べた。相撲観戦の「勝負メシ」の幕の内弁当。「おいしくいただきました」と笑顔を見せた。

 昨年10月、史上最年少の14歳2カ月でプロデビュー。それまで現役最高齢の加藤一二三(ひふみ)九段が持っていた14歳7カ月の最年少記録を62年ぶりに塗り替えた。4月4日にはデビュー後11連勝を達成し、プロ公式戦の新記録を樹立。6月26日には神谷広志八段を抜き、新記録の29連勝を達成した。