民進党代表選は21日、告示され、前原誠司元代表(55)と枝野幸男元官房長官(53)が立候補した。党刷新が期待された蓮舫代表の電撃辞任表明で、旧民主党時代から要職を歴任してきたベテラン2人の一騎打ちに、崖っぷちの党の再生が託される形となった。

 ともに日本新党出身で、93年衆院選で初当選。当選8回の同期だ。前原氏は「24年の国会議員としてのすべての経験を生かし、政治生命をかける」と決意表明。枝野氏も「出馬の理由は、危機感と怒りだ。民進党には自民党と違う旗がある。目先の風に流されず、党を再生する」と訴えた。

 2人は、自民党に代わる選択肢を目指す点では一致するが、次期衆院選での野党共闘の形や消費税増税などでは立場が異なり、大きな争点になる。また、衆院初当選の「同窓」には小池百合子都知事もいるが、小池氏に近い若狭勝衆院議員が結党を目指す国政新党との距離感でも、温度差がにじんだ。枝野氏は「自民党との補完勢力と思わざるを得ない」と指摘したが、前原氏は小池都政に一定の評価をした上で、「現段階では理念も、与党か野党かも分からない。理念や政策が出た時に判断したい」と、連携に含みを残した。

 国会議員の支持では前原氏がリードするが、計858ポイントのうち約3割(231ポイント)を占める党員・サポーター票の動向が勝敗の鍵を握る。投開票は来月1日。