政務活動費(政活費)の架空請求疑惑で辞職の意向を示していた神戸市会自民党議員団の橋本健市議(37)の辞表が29日午前10時すぎ、神戸市議会宛てへ郵送で届いた。神戸市会事務局が明らかにした。

 事務局によると、辞表は速達郵便だったといい「中は紙1枚(A4)で、封筒は一般的な普通の封筒だった」と説明した。文面については、筆記なのかパソコンでの入力なのかについても明かさなかった。

 事務局によると、通常、市役所への郵便物は午前10時から集配所へ届くといい、この日は、普段の同11時ごろより早めに局員が集配所へ行ったようで、同10時すぐに、辞表が確認された。

 市会はこの日午後に、代表者会議を開いて辞表の扱いを協議する。

 この日は午前8時台から報道陣が集まり始めたが、同事務局は「昨日、辞表は郵送されたと聞いていた」とし、特別な混乱対策は考えていなかったという。

 同じ兵庫県では、14年に元兵庫県議野々村竜太郎氏の政活費問題が発覚。当時の兵庫県庁では、報道陣を避けたい野々村氏の意向もあって、庁舎内は大混乱した。

 橋本氏が辞表を持参していれば、同様の騒動も予想されたが、これについて、事務局は「そうなっていれば、対応を考えねばならなかったでしょうね」と話した。

 また、神戸市では政活費を不正流用した事件で、市議3人が辞表を提出しているが、事務局によると、3人は「辞表を持参した」という。過去には刑事事件で辞表を提出した市議が郵送したケースはあったというが、山本剛司事務局長は「私の記憶では、郵送というのはない」とも語った。

 現状では橋本氏の机やロッカーに荷物が残されており、引きあげる必要があるが、事務局は「辞表提出から何日とか、そういった決まりはない。ただし、速やかに整理してもらうことになっている」とし、本人か、もしくは代理の人間が早急に荷物を片付ける必要はあると話した。

 橋本氏は、7月に今井絵理子参院議員との不倫疑惑が発覚。不倫疑惑については、会見で「一線を越えていない」と主張したが、今月23日になって、印刷業者への政活費架空請求疑惑が明らかになっていた。