印刷業者に架空発注し政務活動費(政活費)を申請した疑いが指摘されている神戸市の元市議、橋本健氏(37)が自民党市議団の聞き取りに対し、「すべて認めます」と疑惑を認める説明をしていることが6日、分かった。

 神戸市議会は近日中に橋本氏を詐欺容疑で神戸地検に告発する方針を明らかにした。橋本氏が所属していた自民党市議団の安達和彦団長によると、橋本氏は同日午後、神戸地検に出頭したという。

 同日午後の神戸市議会代表者会議で、橋本氏が所属していた自民党市議団が報告した。会議終了後、自民党会派の安達団長と北川道夫議長が会見した。安達氏によると、4日に本人と面談し、事情を聴いた。約45分に及ぶ聞き取りで、橋本氏は疑惑についてすべて認めたという。使途について事務所費用や政治活動費に使用したという。

 橋本氏は市政報告のチラシを印刷業者に架空発注し、約700万円の政務活動費をだまし取ったとする「週刊新潮」の報道に対し、8月23日に会見を行い「架空発注はしていない」と真っ向から否定。一方で、業者側は代理人弁護士を通じ「実際には印刷していないのに、市議に頼まれ領収書を発行した」と明らかにしたほか、疑惑を否定する内容の想定問答が市議からメールされたなどと主張していた。

 橋本氏は7月に女性ボーカルグループ「SPEED」のメンバーで自民党の今井絵理子参院議員(33)との不倫交際が報じられた。今井議員とは「一線を越えていない」と言い張った橋本氏だが、公金の使用では「一線を越えた」ことを認めた。