「排除の理論を唱える人の下では戦えない。私は若狭さんと勝負する」。小池百合子東京都知事の議員失職に伴う昨年の衆院東京10区補選で、希望の党の若狭勝氏(60)と戦った民進党の鈴木庸介氏(41)が1日、東京10区からの無所属出馬を決意した。

 鈴木氏は日刊スポーツの取材に「小池さんの『排除の理論』が許せない。政治家として尊敬してきたが、私は誰1人置いていかない、誰もが居場所のある社会を作りたい」と決意を明かした。

 鈴木氏は、若狭氏が設立メンバーになっている希望の党に民進党が合流する中、小池氏の後継として東京10区を引き継いだ若狭氏と対立する同区の民進党支部長だけに、希望の党からの公認が絶望視されていた。これまで民進党本部からの指示を待っていたが、日刊スポーツの取材に「無所属で出馬します。やはり、若狭さんと戦いたい」と話した。

 希望の党への合流問題で、「選別」され「絞り込み」されている民進党の議員、支部長の中でも、希望の党からの公認が得られない可能性が極めて高い立場だった。“小池新党”立ち上げまでは、民進党公認候補として出馬するために、民進党玉木雄一郎氏(48)との二連ポスターも発注ずみだったが、合流騒動で印刷を止めていた。

 鈴木氏は1日夜、都内で共産党の岸良信氏と東京10区の野党政策協定を結んだ。「統一候補になれなくても無所属で戦う覚悟だ」と話し、岸氏も「私も(新人として東京10区に)出馬する」と明言。統一候補擁立の見通しは立っていない。民進党の枝野幸男代表代行などリベラル派が新党を結成する動きもあるが、鈴木氏は「そこに合流できればという期待もあるが、甘い考え方では若狭氏には勝てない」と語った。