スウェーデン・アカデミーは5日、2017年のノーベル文学賞を発表、有力候補の1人とされていた村上春樹氏(68)は受賞を逃した。

 村上氏の母校兵庫県立神戸高校(神戸市灘区)では、同窓会幹部や村上氏が所属していた新聞委員会の仲間、在校生徒ら約20人が同窓会館に集合。インターネット中継を見ながら発表を待った。午後8時過ぎ、受賞者の名前が読み上げられると「あ~」と、ため息が漏れた。

 村上氏と新聞委員会の同期だった田中広幸さん(68)は「またかと言ったら怒られるかもしれないけど、相当、待ちわびています」と悔しそうに話した。

 日本生まれのカズオ・イシグロ氏の受賞に新聞委員会の同期だった神戸親和女子大の矢野日出子教授(68)は「春樹さんはイシグロ氏のことを絶賛していたからね」と話した。

 同校に関係者らが集まり、吉報を待つようになって13年目。13年連続で参加している矢野さんは「なんでとれないのかな~。また来年を楽しみにします」と気持ちを切り替えた。

 新聞委員会で村上氏は委員長(編集長)を務めていた。田中さんは「非常にシャイだったけど、自分の世界をきっちりと持っている人だった。年齢は重ねても高校時代と雰囲気はまったく変わらない」と振り返った。