小池氏が事実上率いる地域政党「都民ファーストの会」の音喜多駿都議(34)と上田令子都議(52)が5日、離党届を提出した。会見で小池氏と野田数前代表ら数人による独裁運営が主な理由とした。国政政党「希望の党」にも似た側面があると指摘した。

 密室での代表決定、それを許す党規約、議員の言論統制など…。音喜多氏は「『情報公開が一丁目一番地』と言いながら、言行不一致が一番許せない」、「都民ファが未熟な状況で、知事は国政に関与した。足元でできず、新しい党で実現できるはずがない」と声を上げた。

 音喜多氏は党規約づくりに途中まで参加したが、草案を見せると野田氏に「これでは知事が『決めろ』と言うときに決められない」と突き返され、その後、規約検討メンバーから外されたと主張。「二元代表制」に反すると指摘した。

 議員活動の制限の1つ、「飲み会禁止令」については都議選後の7月、新人都議の数人と食事に行こうとした際、事実を知った幹部から会を中止され「派閥作りの分派行為だ」と厳重注意を受けた。同様の事例が他の議員にも複数あったという。SNSも管理され「発信内容が役員の意思と違う場合は呼ばれ、しかられた」と振り返った。

 上田氏は不透明な金の使い道を問題視。都特別顧問だった小島敏郎氏が9月に突如、政調会事務総長に就任したが契約内容も明かされなかった。音喜多氏は「都民ファでも『党方針を逸脱しないこと』というサインを書かされたが、実際の党方針や規約は見られなかった」とした。希望の党の政策協定書を例に挙げ「公約順守と書かれているが、公約ができていない。しかし、サインしないと公認は出ない。白紙の委任状を出すという意味では、両党は似ている」と語った。【三須一紀】