神奈川県座間市のアパートで9人の切断遺体が見つかった事件で、警視庁高尾署捜査本部は6日、9人のうち1人は東京都八王子市の田村愛子さん(23)と発表した。DNA型鑑定で特定した。身元判明は初めて。

 身元が確認された田村さんは、小4から約4年間、山梨県甲州市内の学校に通った。かつて暮らしていた家は、今は畑になっている。近くに住む女性は「ちょうどこの季節に、柿を持っていってあげたことがあった。こんな事件に巻き込まれかわいそう」と表情を曇らせた。近隣住民や同級生の母親によると、田村さんは小4で転校してきたが、中学の途中で学校にあまり通えなくなり、田村さんが中学を卒業する前に、一家は再び転居していったという。

 近隣住民らによると、田村さんは当時、母と兄と3人暮らし。大きな犬も飼っていた。しかし、犬を散歩したり、外で遊ぶこともほとんどなく、昼も家を閉め切っていることが多かったという。前出の女性は「ひとり親で、生活も大変だったでしょう。子どもたちも苦労したと思う。成人してこれからという時なのに。犯人が許せない。殺してやりたい」と話した。