年末の風物詩、「『現代用語の基礎知識』選 ユーキャン新語・流行語大賞」のノミネート30語が9日、発表された。1度聞いたら耳から離れない、豊田真由子元衆院議員(43)の「ちーがーうーだーろー!」が候補の一角に入り、豊田氏をはじめ、言動で問題を起こした自民党の「魔の2回生」も登場。政治が混乱した1年を象徴するように、「忖度(そんたく)」を含めた政治のネガティブワードが目立った。年間大賞とトップ10は12月1日に発表される。

 今年6月の通常国会閉会直後、元政策秘書の男性に豊田氏が発した「罵詈(ばり)雑言」が、今年を象徴するワードの候補に選ばれた。車の後方から男性に暴言と暴力をはたらいたとされる際、男性が録音して「週刊新潮」によって公開された「このハゲ~!」や「ちーがーうーだーろー!」という衝撃的な音声は繰り返し報じられ、子どもたちにまで浸透することに。当の豊田氏は自民党を離党。先月の衆院選には無所属で出馬したが、あえなく最下位で落選した。

 豊田氏の暴行問題をめぐっては、男性からの被害届を受理して捜査していた埼玉県警が先月末、豊田氏を傷害と暴行の疑いでさいたま地検に書類送検した。

 この豊田氏と同様、自民党の当選2回(当時)の議員に、不倫問題や失言、問題行動が次々に発生。「魔の2回生」としてあきれられたが、この言葉も候補に。安倍晋三首相が大勝した12年、14年の衆院選を苦労なく勝ち、政治家の自覚や資質に欠けていると手厳しい批判を受けた面々を指した言葉だ。

 政界関係者は「明るい話題ではなく、情けない限りだ」とこぼした。先月の選挙で豊田氏のように落選した者もいれば、3回生になった議員も。3回生を含めた自民若手は、「魔」のイメージ払拭(ふっしょく)に、国会での質問時間を増やし「見せ場」をつくろうと躍起になっている。

 政治関連では、森友&加計学園問題をめぐり、1強の安倍首相に対する官僚などの気遣いを表現した「忖度」、通常の手続きをすっ飛ばし、安倍政権が強行採決した「共謀罪」など、ネガティブな言葉が目立った。政治の混乱を象徴した格好だ。