「泳ぐ宝石」と呼ばれ、日本が世界に誇るニシキゴイが、東京・永田町の自民党本部内で“飼育”されることになり30日、記念の放流式典が行われた。

 政党の本部で、ニシキゴイが飼われるのは「恐らく初めて」だという。

 生産地の1つで知られる新潟・山古志地区を選挙区に持っていた故長島忠美氏が、ニシキゴイを、国を代表する魚として世界に発信するため、生産業者らと調整を続けていたが、今年8月に急逝。農林部会長経験者として、長島氏を通じて生産業者と交流を続けた小泉進次郎筆頭副幹事長が、「まずは、国会議員の先生に見てもらおう」と発案。党本部1階のロビーに、新たに水槽を設置することが決まったという。

 この日放流されたのは、金色など、鮮やかな色彩の10匹。二階俊博幹事長や進次郎氏ら党幹部のほか、長島氏の妻久子さんも出席して、ビニールの中に入った1匹1匹を、水槽へと放流。コイたちは元気に泳ぎ始めた。

 進次郎氏は「長島先生とともに、この日を迎えたかった」と述べた。生産業者たちは、ニシキゴイを「国魚」とすることを目指しており、長島氏の妻久子さんは「ニシキゴイがもし国魚になれば、それを糧に、私たちは山古志で暮らしていきたい」とあいさつした。 自民党は、成長戦略の一環でクールジャパンの発信を強化するため、ニシキゴイの輸出後押しなどを目的に「錦鯉(にしきごい)特区」の創設に動いている。