インターネットで馬券を大量購入した北海道の男性が、所得税の申告で外れ馬券を経費と認めるよう求めた行政訴訟の上告審判決で、最高裁第2小法廷(菅野博之裁判長)は15日、経費に算入できるとして国側の上告を棄却した。約1億9000万円の追徴課税処分の取り消しを求めた男性の勝訴が確定した。外れ馬券を巡っては最高裁が15年、刑事裁判の判決で「営利目的で継続的な購入の場合、算入できる」と初判断。国税庁はその後、算入を認める要件として馬券自動購入ソフトの使用を挙げていた。この男性はソフトを使っていなかったが「購入期間や回数、頻度などから一連の行為は継続的で、利益の規模などから営利目的でもあった」と判断された。

 男性は独自のノウハウに基づき、05~10年にインターネットで約72億7000万円分の馬券を購入し、約5億7000万円の利益を上げていた。馬券自動購入ソフトの使用者は、競馬を投資目的にしている人が多い。大量の資金が必要になり、一般の競馬ファンにはなじみが薄いという。